2010年 06月 07日
この国の医療を支えるのは誰か |
まずは,次の2つの記事を読んでみてください。
http://archive.mag2.com/0000253983/index.html
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3660
数年前に財政破綻し,財政再建団体となった夕張市における医療の現状が記されています。
実はこの問題,日本の様々な問題の縮図でもあります。
・少子化
・高齢化
・人口減少
・過疎化
・自治体財政の破たん
・医療問題……etc
もともと学生時代は,コンピュータ理工学のアプローチから「電子自治体」なるものを研究していたこともあり,自治体の抱える問題は専門分野でしたし,関心を持っていました。
この問題は様々な要因が複雑に絡み合っており,簡単に語れる問題ではありませんが,一番最後に挙げた医療問題について考えてみましょう。
日本は少子化と高齢化が進み,人口が減少しています。
高齢社会が意味することは何か。それは医療が今まで以上に重要な存在になるということです。
(ちなみに,高齢化社会と高齢社会は別物です。現在の日本は後者です)
一方で子どもが減っているということは,将来的に医療関係に従事する人間は相対的に少なくなってしまうことが容易に想像できます。
では,医療関係者を取り巻く環境,社会の目はどうでしょうか。
急患の患者がたらい回しにされ,結果として亡くなってしまうケースが何年前からか続いています。
もちろん問題は1つではないでしょうが,最も指摘されていたポイントは「医師不足」でした。
「今,急患を担当できる医師が不在なので,引きうけられない」という理由で多くの病院から受け入れを断られたというのは記憶に新しいところです。
医学部に入学するのは簡単なことではないし,医者になるのも大変なことです。
学生時代,同年代の多くが遊び呆けている中,彼らは医学を志すべくある程度の遊び時間などを犠牲にして勉強に励んでいるのです。
国家試験など越えなければならない壁もたくさんあります。
それほどたくさんの努力を続けてきた彼らに,国民は尊敬の念をもって接してきただろうか。
ありがたさを感じてきたでしょうか。
もちろん,医療関係者や医学生などが,国民からの尊敬を期待して医者になったor志している。とは思わないし,思えません。
しかしながら,自分たちの健康のために尽くしてくれている人々である。我々は尊敬の念を持って接するべきではないでしょうか。
ところが,マスコミはこの件に関して世論をミスリードし続けました。
不幸にも手術が成功しなかった場合には「医療ミス」と決めつけ,ことあるごとに騒ぎたてました。
もちろん人間は完璧ではありません。失敗だって起こします。
だからと言って「失敗した手術」は,本当に「成功したはずの手術」だったのでしょうか。
人間は完璧ではありません。魔法使いではありません。だからこそ,治せないことだってあるはずです。
身内が帰ってこなかった。その悔しさ,悲しさはわかります。
だからと言って,マスコミの影響を受けて「医療ミスだ」と騒ぎ立てるのはいかがなものでしょう。
多くの医者は最善を尽くしたはずなのです。
医者の給与は高い。という批判をする人がいます。
本当にそうでしょうか?勤務の実態に見合っているのでしょうか?いないのでしょうか?
医者になるためには,相当な投資が必要です。
医者になったら,医師不足などの問題もあり体力的に限界を訴える人も多くいます。
様々な犠牲の上に,医者になってくれる人がいる。そして身を粉にして働いている。
そういう人々には,それ相応の賃金で応えていくべきではないでしょうか。
医者になるため,多くの命を救うために一生懸命に勉強し続け,医療に従事しても,すぐに訴えられる。マスコミに騒がれる。
そして仕事は年々ハードになっていく。賃金も勤務の実態に見合わない。
医療現場では(特に地方であればあるほど)現場の悲痛な叫び声が聞こえてくる。
そんな状況で医者を志す者が増えようか。
コンビニ医療,不要な(自称)急患などの見直しも含め,医者になる人に敬意を表し,それを行動に表す。
今こそ,国民が医療問題を自身の問題と強く意識し,真面目に考えることが必要ではないだろうか。
http://archive.mag2.com/0000253983/index.html
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3660
数年前に財政破綻し,財政再建団体となった夕張市における医療の現状が記されています。
実はこの問題,日本の様々な問題の縮図でもあります。
・少子化
・高齢化
・人口減少
・過疎化
・自治体財政の破たん
・医療問題……etc
もともと学生時代は,コンピュータ理工学のアプローチから「電子自治体」なるものを研究していたこともあり,自治体の抱える問題は専門分野でしたし,関心を持っていました。
この問題は様々な要因が複雑に絡み合っており,簡単に語れる問題ではありませんが,一番最後に挙げた医療問題について考えてみましょう。
日本は少子化と高齢化が進み,人口が減少しています。
高齢社会が意味することは何か。それは医療が今まで以上に重要な存在になるということです。
(ちなみに,高齢化社会と高齢社会は別物です。現在の日本は後者です)
一方で子どもが減っているということは,将来的に医療関係に従事する人間は相対的に少なくなってしまうことが容易に想像できます。
では,医療関係者を取り巻く環境,社会の目はどうでしょうか。
急患の患者がたらい回しにされ,結果として亡くなってしまうケースが何年前からか続いています。
もちろん問題は1つではないでしょうが,最も指摘されていたポイントは「医師不足」でした。
「今,急患を担当できる医師が不在なので,引きうけられない」という理由で多くの病院から受け入れを断られたというのは記憶に新しいところです。
医学部に入学するのは簡単なことではないし,医者になるのも大変なことです。
学生時代,同年代の多くが遊び呆けている中,彼らは医学を志すべくある程度の遊び時間などを犠牲にして勉強に励んでいるのです。
国家試験など越えなければならない壁もたくさんあります。
それほどたくさんの努力を続けてきた彼らに,国民は尊敬の念をもって接してきただろうか。
ありがたさを感じてきたでしょうか。
もちろん,医療関係者や医学生などが,国民からの尊敬を期待して医者になったor志している。とは思わないし,思えません。
しかしながら,自分たちの健康のために尽くしてくれている人々である。我々は尊敬の念を持って接するべきではないでしょうか。
ところが,マスコミはこの件に関して世論をミスリードし続けました。
不幸にも手術が成功しなかった場合には「医療ミス」と決めつけ,ことあるごとに騒ぎたてました。
もちろん人間は完璧ではありません。失敗だって起こします。
だからと言って「失敗した手術」は,本当に「成功したはずの手術」だったのでしょうか。
人間は完璧ではありません。魔法使いではありません。だからこそ,治せないことだってあるはずです。
身内が帰ってこなかった。その悔しさ,悲しさはわかります。
だからと言って,マスコミの影響を受けて「医療ミスだ」と騒ぎ立てるのはいかがなものでしょう。
多くの医者は最善を尽くしたはずなのです。
医者の給与は高い。という批判をする人がいます。
本当にそうでしょうか?勤務の実態に見合っているのでしょうか?いないのでしょうか?
医者になるためには,相当な投資が必要です。
医者になったら,医師不足などの問題もあり体力的に限界を訴える人も多くいます。
様々な犠牲の上に,医者になってくれる人がいる。そして身を粉にして働いている。
そういう人々には,それ相応の賃金で応えていくべきではないでしょうか。
医者になるため,多くの命を救うために一生懸命に勉強し続け,医療に従事しても,すぐに訴えられる。マスコミに騒がれる。
そして仕事は年々ハードになっていく。賃金も勤務の実態に見合わない。
医療現場では(特に地方であればあるほど)現場の悲痛な叫び声が聞こえてくる。
そんな状況で医者を志す者が増えようか。
コンビニ医療,不要な(自称)急患などの見直しも含め,医者になる人に敬意を表し,それを行動に表す。
今こそ,国民が医療問題を自身の問題と強く意識し,真面目に考えることが必要ではないだろうか。
by yooinchoi
| 2010-06-07 21:29